こんにちは 天王分署です

2023年も12月を残すのみとなりました。
夏の猛暑、大雨災害、クマの出没など激動の一年でした。
秋田はこれから本格的な寒さを迎えますが、火元の取扱いや体調管理には十分ご注意下さい。

 さて、10月~11月にかけて天王分署で実施された事業と訓練をご紹介します。


中学生職場体験学習(キャリアスタートウィーク)

 天王中学校2年生が10月24日から26日までの3日間、職場体験学習として天王分署を訪問し、消防業務を体験しました。
 学習時間は8時半~15時半、初日の消防事務説明・訓練礼式から始まり、消防組織法についての勉強、放水訓練、救急訓練・応急手当、ホース清掃、車両整備など多くのカリキュラムを行いました。
 写真は2日目の様子です。
 ※ プライバシー保護のため、生徒の写真は一部加工しています。

実際に防火服を着用。消防車に積載する備品の説明を真剣に聞いています。

放水訓練。水圧の威力に驚きながら、様々な放水ノズルを使って放水体験しました。

車両清掃とワックスがけ。ピッカピカにしてくれました。

 3日間、消防の役割や業務に対して、とても意欲をもって取り組んでくれました。
 生徒からは、「チームワークやコミュニケーションの大切さを知った」、「訓練などでいつも鍛えている理由が分かった」など、達成感に満ちた笑顔と感想が印象的でした。
 最終日には3日間のカリキュラムで学んだ成果を試す筆記の「効果測定」を初めて実施しましたが、生徒全員が100点満点。とても素晴らしい結果で本当に嬉しかったです。
 天王分署では毎年、天王中学校の職場体験学習に協力していますが、この事業から地域愛が芽生え、将来の夢に向かって学校でも充実した生活ができるよう、今後も応援していきます。

火災想定訓練

 10月26日、天王分署職員による火災想定訓練を実施しました。
 想定内容は、「木造一般住宅2階建ての2階から出火。1階屋根に要救助者1名」。

最先着隊の天王小隊は人命救助を優先。同時に援護注水の態勢も備えます。

隊長が要救助者に家族構成と状況聴取をしながら、隊員は梯子で救出に向かいます。

要救助者を救出後、隊長は火災現場を一巡して状況評価を行い戦術を決定します。
写真は火災室を冷却・消火するためのレイン注水です。これは棒状放水を天井に当て、室内に雨を降らす様に行います。(実火災では開いている窓などから、室内の天井に放水します。)

火災室の冷却に一定の効果がみられたため、小隊長は屋内進入を判断します。
天王小隊は、屋内進入用に40㎜ホース狭所巻を積載しています。スリム化した活動と迅速な屋内消火戦術に備えています。

狭所巻 … 狭所でもホース設定が可能でスペースをとらないため活動場所を確保できる

隊長が熱感知画像で屋内の熱を確認しながら、隊員1名とともに屋内進入。

出火場所の2階居室前に到着。

室内の温度を確認後、隊員が2階居室内に向かって放水し、鎮圧状態となりました。ここで訓練終了です。

 天王分署では今年4月から、消火戦術の課題を共有して協議したり、消防車の装備を見直したりして訓練を重ねてきました。その集大成となる火災想定訓練でもありましたが、引き続き訓練を反復しながら、「迅速判断・効率的活動・被害最小限」のため、スキルアップに努めていきます。

天王分署・消防団合同訓練

 11月18日、天王分署と潟上市消防団天王支団第1分団で合同訓練を初めて開催しました。

【目的】
 消防署と消防団が合同で訓練を実施することで、実際の現場に近い環境を作り出し、連携の強化を図るとともに男鹿消防が行う消防戦術を情報提供し、災害発生時の行動について共有認識を持つ。

 

今回の訓練内容と目的を共有するため、ミーティングから始まりました。

消防団の車両に積載している装備を消防職員が確認しています。

次に天王分署の消防車にある積載資機材を消防団に説明しました。

消防団が火災現場で消防水利に部署し、放水開始までの動作確認を行っています。

消防団が消防水利に部署して放水を行っている途中、消防署のポンプ車が到着。
「中継切り替え」として、消防団が放水しているホースをそのまま消防署のポンプ車中継し、消防職員が消火活動、消防団が水の中継を行います。

棒状放水、噴霧放水、放水姿勢などをアドバイスしました。

こちらの写真は、消防署で使用している放水ノズルで放水を体験している様子です。

 消防団の皆さんとは小型ポンプ操法を通しての交流はありましたが、他の災害対応訓練を共にする機会は限られていました。この訓練で相互の役割と戦術の共通認識が得られたことはとても有意義で、 「大変参考になった」と団員からも高評価でした。ぜひ、他の分団とも、この企画を開催していきたいと考えております。
 天王支団第1分団の皆様、ありがとうございました。

おわりに

 2024年は、オリンピックがパリで開催されます。オリンピックは人に夢と感動を与えてくれます。4年に一度しか開催されませんので、選手としてはハイパフォーマンスで挑める適齢期のタイミングも備えていなければならない運命だと思います。
 消防職員は年齢を問わず、救急・災害における知識と技術、そして体力を退職するまで常に備えておく必要があるため、日々の訓練を欠かすことはできません。地域住民の生命と財産を守ることを職務とする私たちに感動という言葉は存在しませんが、地域の皆様が安心して頼ることのできる消防人、安全で住みやすい地域を目指して、これからも精進してまいります。
 ちなみに私の子供(大学生:県外在学中)も今年、パリオリンピックの国内予選に出場しましたが、残念ながら出場権獲得には至りませんでした。しかし、強豪選手と競い合えるまで成長した姿を見て、大きな元気をもらいました。夢をあきらめず、一日一日を大切にしてほしいものです。

 皆様におかれましては、2024年が素晴らしい一年となりますことを切に願います。
 どうぞ、良いお年をお迎えください!!